アルトコインの中ではなかなか知名度の高いNEM(ネム)。
日本の取引所でもコインチェックやZaif(ザイフ)でも扱われており、
すでに保有していたり名前だけでも聞いたことがあるという方は多いと思います。
そこで、今回は改めてネムの概要や将来性についてわかりやすく書いていきます。
目次
NEMとはどんな仮想通貨?
まずはネムの概要について解説していきます。
NEMの名前の由来は・・・新しい経済活動
ネム、【N】と【E】と【M】でNEMと書いてネムと読みます。
これ、ICOが「Initial Coin Offrring」の略称であるのと同じように、
NEMも頭文字を取った名前となっています。
どんな頭文字かというと、
E = Economy
M = Movement
です。
【新しい経済活動】という意味合いを持っているんですね。
今ではみんなNEM(ネム)と読んでいますが、
海外の取引所「Bittrex」では
「New Economy Movement」と表記されています。
この名前の通り、NEMは新しい経済活動を目指しており、
「金銭的に自由」、「分散型で平等」などを重視しているプロジェクトになります。
NEMはビットコイン2.0の一つで、平等な分散型プラットフォームとして新たなデジタル通貨による経済圏を作り出すことを目標としています。独自通貨発行等の機能は、他のビットコイン2.0プラットフォームのものと同様ですが、PoIという独自のシステムやネットワークのセキュリティ保護に力を入れているのが特徴といえます。
日本の仮想通貨取引所Zaifの運営会社が開発するプライベートブロックチェーンmijinがNEMの技術をもとにしていることなどから、日本でも注目度が高い暗号通貨の一つです。
(出典:ビットコイン日本語情報サイト)
NEM(ネム)の概要
NEMは2015年3月31日に公開されました。
今はいませんが、当時は開発チームの1人に日本人がいたこともあり、
国内でも話題になったようです。

すでに全ての基軸通貨「XEM(ゼム)」が発行されている
仮想通貨(=暗号通貨)のキングであるビットコインは、
発行上限枚数が2100万枚となっています。
そして、ビットコインは2100万枚全てがすでに世の中に出回っているわけではなく、
マイニングされることによって少しずつ世に排出されています。
ビットコインの特徴とも言えるマイニングですが、
それに対し、NEMの基軸通貨である【XEM(ゼム)】にはマイニングというものがありません。
実は、XEM(ゼム)は誕生当時に発行上限枚数全てが払い出されています。

XEM(ゼム)の発行枚数は89億9999万9999XEM(ゼム)となっていますが、
発行当時、約1600人(アカウント)ほどの投資家たちに分配されたのが始まりでした。

すでに全てのXEMが分配されているため、
NEMにはマイニングというものがありません。
ビットコインのマイニングは【Ploof of Work(PoW)】ですが、
NEMは【Ploof of Importance(PoI)】という方式を採用しています。
NEMの特徴!Ploof of Importance(PoI)とは??
ビットコインのマイニングで採用されているPoWは、
仕事量によって採掘された通貨を入手できる方式です。
それに対し、NEMのPoI(プルーフ・オブ・インポータンス)とは
Importance=重要度によって報酬を受け取ることができるという仕組みになっています。
これはビットコインのPoWと、イーサリアムのPoS(Ploof of Stake)の問題点をクリアにした、
とても画期的な仕組みです。
PoWやPoSの問題点とは
PoWやPoSというのは、すでに資本ががっつりある人が勝ってしまう
という構図になっています。
PoWではマイニングするコンピューターの性能や台数が多ければ多いほど
有利になります。
つまり、どれだけ性能の良いコンピューターを用意できるかで勝負が決まってくるんですね。
イーサリアムで採用されているPoSも保有しているコインの枚数によって
マイニングされた報酬の振り分けが決まります。
どれだけたくさんの資産を持っているかによって報酬が決まってくるので、
やはりこちらも資金量がモノを言うような仕組みです。
PoWもPoSもどちらも資金が必要になりますので、
資金がない人は太刀打ちできません。
それに対してPoIはどうでしょうか??
PoIでは、大量のコインを持っていればいるほど有利になる
という訳ではありません。
PoIのインポータンスとは重要度を表しており、
独自のシステムにより重要度のスコア(=PoIスコア)がつけられるようになっています。
PoIスコアがどのように採点されるのか正確なところはわかりませんが、
保有量とどの程度NEMネットワークを使っているかが評価の対象となります。
NEMのネットワークをたくさん利用すれば利用するほど、
スコアに加算されて有利になります。
これは、NEMの考え方の1つでもある富の再分配を実現している部分です。
資産がない人でも、NEMのネットワークに貢献してた人は報酬を受け取る権利を得ることができます。
NEMのネットワークに参加すればするほどスコアが上昇しますので、
資産家でもない一般の人でも、チャンスが十分にあるんですね。
消費電力も非常に少ない
PoIの仕組みを使っていることにより、
消費電力が非常に少ないという特徴もあります。
NEMはPoI (Proof-of-importance)という仕組みを使っています。これによって(ビットコインやイーサリアムと違って)、NEMは電力をあまり消費せず、そしてよりセキュリティ上堅牢なものになっています。マイニングにおいて(ビットコインやイーサリアムのマイニングと違って)、ネットワークの維持のための膨大な電力を必要としません。
ビットコインのマイニングは膨大な電気を消費してしまい、
下手をすれば電気代のおかげで赤字になることもあります。
そういった消費電力を抑えることができるネットワークという点も、
NEMの魅力的なポイントの1つです。
ハーベストとハーベスティング
NEMはPoIにより重要度のスコアにとって報酬が分けられますが、
これはハーベスティングと呼ばれています。
日本語でいうと【収穫】という意味合いになります。
ハーベスティングはNEMのやり取りで発生した手数料を
報酬として受け取ることができるシステムです。
ハーベスティングに参加するには10000XEM以上を保有している人であれば
誰でも参加することができます。
NEMのブロック生成は1分間に1度行われているため、
1分ごとにハーベスティングを受け取る人が選出されます。
誰が選出されるかはランダムとなっていますが、
PoIスコアが高ければ高いほど、選出される確率がアップします。
XEMの保有量やネットワークにどれだけ参加しているかでPoIスコアが決まりますので、
XEMを積極的に利用している人ほど、ハーベスティングの獲得率が高くなります。
ローカルハーベスティングとデリゲートハーベスティング(委任)
ハーベスティングには2種類あり、
ローカルハーベスティングとデリゲートハーベスティングがあります。
ローカルハーベスティングはコンピューターを起動させたまま行うもので
イメージとしてはマイニングに似ています。
それに対しデリゲートハーベスティングは
自身のコンピューターを起動させておく必要がありません。
デリゲートは「委任する」という意味合いがありますが、
こちらは上位のノードであるスーパーノードにハーベスティングを委任することで、
報酬を獲得することができます。
NEMのスーパーノードとは?
スーパーノードは一定の条件をクリアすることにより、
通常のノードよりも上位のものとして機能することができるものです。
デリゲートハーベスティングを受ける立場にもなり、
NEMネットワークの中核を担う存在でもあるため、
セキュリティ面や管理意識が重要だと考えられています。
スーパーノードになるためには
- 300万XEM以上の保有
- 常にチェーンが同期されている
- 最低2000回のハッシュが1秒間で可能であること
などの条件があります。

優れたセキュリティ
NEMは消費電力が少ない上に、セキュリティシステムも優れています。
EigenTrust++というノードの重要性の決めるためのアルゴリズムを採用しており、それがネットワークのセキュリティを大幅に強くしています。これは他の暗号通貨にはないユニークな特徴です。さらに局部的スパム防止の手法を用いているため、ネットワークの処理能力が限界になったときに、スパムを試みるノードのみをシャットダウンさせることができます。これも他の暗号通貨にはないNEM独自の特徴です。
(出典:)
EigenTrust++により、悪意のあるユーザーが参加できなかったり、
そういったユーザーがハーベスティングに参加しても報酬は低くなるようになっています。
あのイーサリアムもかつてセキュリティの脆弱性を突かれて
ハッキング被害にあったこともありました。
仮想通貨(=暗号通貨)を利用する上でセキュリティ性は必須となるので、
ここは重要なポイントになります。
誰でも独自のトークンが発行できる「モザイク」
NEMには誰も自分のトークン(独自トークン)を発行することができます。
ネームスペースとモザイクと呼ばれる機能があり、
簡単に言えばネームスペースが名称(ドメインみたいな自分だけが権利的に保有できるもの)であり、
モザイクがコインやトークンの名前です。
実はNEM自身もそういった構成になっており、
モザイク → XEM
となっています。
このような感じで、自分のトークンも発行できるので、
興味ある方は見てみても面白いと思います。
ネームスペースとモザイクはそのうち詳しく書こうと思いますが
こちらにわかりやすく説明がありますのでご覧ください。
→ NEMのネームスペースとモザイクって何なのか?

NEM(XEM)の価格や時価総額、チャートは?
NEMの価格を見ていきましょう。
こちらはリアルタイムのXEMのチャートです。
そしてリアルタイムの時価総額やランキングはこちら。
記事を書いている10/22現在ですと、
1XEM=24円台で推移しています。
(コインチェック価格)
夏にはかなり高騰していたのですが、
最近はずっと下がり調子となっていますね。
ビットコインゴールドの問題などで資金がアルトコインからビットコインに流入していることが考えられますが、
逆に下がっている今こそ買い時かもしれません。
NEMの将来性・まとめ
すでに時価総額ランキング7位につけているNEMですが、
将来性も十分に期待できると思っています。
アルゴリズムもPoI(プルーフオブインポータンス)という
平等性や自由を強調していますし、
ネームスペースやモザイクという機能も拡張性が非常にあると思います。
1万XEM以上持っていればハーベストに参加することもできますし、
とても親しみやすい仮想通貨(=暗号通貨)です。

これから何かアルトコインを買おうと思っている方も、
ぜひ候補に入れてみてください。